金属製の手すりや門扉、階段などに見られるサビや塗装の剥がれは、放置すると劣化がどんどん進行し、見た目だけでなく安全性にも影響しますが、特にスチール(鉄部)は外気や湿気の影響を受けやすく、適切な塗装とメンテナンスを行わないと、腐食が進んで強度が低下してしまうこともあります。
しかし、「塗装は難しそう」「どの塗料を使えばいいのか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、スチール塗装を成功させるための基本を、初心者にも分かりやすく解説します。
下地処理の重要性や塗料の選び方、作業手順、そしてDIYと業者に依頼する際の判断基準まで、実践的な情報を網羅していますので、この記事を読むことで、スチール塗装の流れが明確になり、失敗せず綺麗に仕上げるための知識が得られるでしょう。

これからスチール塗装を検討している方にとって、役立つ具体的なポイントを丁寧に紹介します!
このガイドを通して、スチール塗装に対する不安や疑問を解消し、自信をもって作業に取り組めるようになってもらえれば幸いです!
スチール塗装とは?鉄部に塗装が必要な理由と劣化の仕組み

スチール塗装とは、鉄や鋼の表面を塗料によって保護することで、サビや腐食を防ぎ、耐久性を高めるための作業です。
金属は空気中の酸素や水分と反応しやすいため、屋外に設置されている鉄部は特に劣化が進みやすい特徴があります。
手すりや門扉、階段、フェンスなど、日常的に触れることが多い部分が劣化してしまうと、安全性にも影響するため、定期的な塗装やメンテナンスが欠かせません。
金属がサビる原因と屋外環境による腐食の進み方
鉄がサビる原因は、空気中の酸素と水が鉄に触れることで起こる「酸化反応」です。
特に以下のような環境では、サビが早く進行します。
- 雨や湿気が多い地域
- 海の近くなど、塩分を含んだ空気が漂う場所
- 日光が強く、温度変化が大きい環境
サビは一度発生してしまうと、金属の内部に向かって進行していきますので、表面に見えるサビが小さくても、その裏側では金属が薄くなり、強度が低下している可能性があります。
見た目の問題だけではなく、構造物としての安全性にも影響を与えるため、サビを見つけたら早めに対策することが大切です。
スチール塗装をしないとどうなる?劣化の進行と危険性
もしスチール塗装を行わず、劣化を放置してしまうと、以下のような問題が起こる可能性があります。
- 表面がボロボロと剥がれ、触ると粉が落ちる
- 手すりや階段がぐらつき、安全性が低下する
- 金属部分の強度が下がり、最悪の場合は破損する
特に階段やバルコニーの手すりは、転倒・落下事故につながる危険があるため、劣化を見つけたらすぐに点検・補修が必要です。
DIYでもできる?スチール塗装が向くケース・向かないケース
スチール塗装は、正しい手順と時間を確保できるのであれば、DIYでも十分に可能です。
ただし、劣化の程度や塗装する範囲によっては、業者に依頼したほうが安全・確実な場合もあります。

「自分でやるか、業者に頼むか迷っている」という方は、まず劣化の程度を確認することが大切です!
簡単に削れる程度のサビならDIYでも対応できますが、金属そのものが弱っている場合は、専門業者への依頼をおすすめします。
スチール塗装で最重要となる「下地処理」の正しい手順

スチール塗装を成功させるために、最も重要なのが「下地処理」です。
どんなに良い塗料を使っても、サビや汚れが残ったまま塗装してしまうと、すぐに剥がれてしまいます。
下地処理は、塗装の仕上がりだけでなく、耐久性にも大きく影響するため、丁寧に行うことがポイントです。
ケレン・研磨でサビと旧塗膜を除去する方法
まずは、サビや古い塗膜をしっかりと落とすことから始めますが、この作業を「ケレン」と呼び、ケレン作業にはいくつかの方法があります。
- ワイヤーブラシ:軽度のサビに有効
- 紙やすり(#80〜#120):表面を均一に整えたい時に使用
- 電動サンダー:広い面積を効率よく研磨したい場合
サビが残っていると、そこから再び腐食が進行してしまうため、見た目だけでなく「手触りがザラつかない状態」を目安に、しっかり落とすことが大切です。
錆転換剤や防錆プライマーの使い方と選び方
サビを落としたら、次は金属をサビから守るための処理を行います。
ここで登場するのが「錆転換剤」や「防錆プライマー」です。
錆転換剤は、落としきれなかったサビを安定した皮膜に変えることで、サビの進行を抑えてくれます。
防錆プライマーは、鉄と上塗り塗料の密着性を高める役割をし、耐久性を大幅に向上させてくれるアイテムです。
特におすすめの防錆プライマーは以下のタイプです:
- エポキシ系プライマー:耐久性が高く、屋外向き
- ラッカープライマー:乾燥が速く、簡単に扱える
初心者でも扱いやすいのは「速乾型」のプライマーですが、塗る前には必ず説明書を確認し、乾燥時間を守りましょう。
下塗り・中塗り・上塗りの役割と塗り重ねのタイミング
下地処理とプライマーを終えたらいよいよ塗装に入りますが、塗装は基本的に「下塗り → 中塗り → 上塗り」の3段階で行います。
| 工程 | 役割 |
|---|---|
| 下塗り | 金属と塗料の密着性を高める土台づくり |
| 中塗り | 色と厚みを作り、耐久性を高める |
| 上塗り | 表面をなめらかに仕上げ、美観を整える |
それぞれの工程の間には十分な乾燥時間が必要です。
乾燥時間が短すぎると、塗料がしっかり密着せず、数ヶ月で剥がれてしまうことがあります。
目安としては
- 下塗り後:1〜3時間(速乾タイプの場合)
- 中塗り後:3〜6時間
湿度や気温によっても乾燥時間は変わるため、塗料缶の表示を確認しながら進めましょう。
スチール塗装に使う塗料の選び方|耐久性と密着性を比較

スチール塗装では、どの塗料を選ぶかによって仕上がりや耐久性が大きく変わります。
塗料にはそれぞれ特徴があり、使用する環境や目的に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、よく使われる塗料の種類と、選ぶ際に知っておきたいポイントを初心者にも分かりやすく解説します。
エポキシ系・ウレタン・シリコン塗料の違いと用途
まずは、鉄部の塗装でよく使われる3つの塗料を比較してみましょう。
| 種類 | 特徴 | 耐久性 | 主な用途 |
| エポキシ系塗料 | 付着力が強く、サビ止め効果が高い | 高い | 下塗り(防錆プライマー)として最適 |
| ウレタン塗料 | 仕上がりがなめらかで扱いやすい | 中程度 | 手すり・門扉など日常利用の部分 |
| シリコン塗料 | 紫外線や雨に強く、耐候性に優れる | とても高い | 屋外のフェンス・階段・鉄骨など |
結論としては、屋外で長持ちさせたい場合はシリコン塗料が最もおすすめです。
一方で、作業がしやすく仕上げがキレイなウレタン塗料は、小規模なDIY向きといえます。
水性塗料と油性塗料のメリット・デメリット
塗料は「水性」と「油性」にも分類されます。
| 種類 | メリット | デメリット |
| 水性塗料 | 臭いが少なく、室内でも使いやすい | 耐久性が油性よりやや劣る |
| 油性塗料 | 耐久性・密着性が高い | 臭いが強く、換気が必要 |
もし屋外の鉄部をしっかり長持ちさせたい場合は、油性タイプを選ぶと良いでしょう。

ただし、室内や換気が難しい場所で作業する場合は水性も選択肢になります!
仕上がり・耐候性・コストで比較する最適な塗料選択
塗料を選ぶ際は、「どれが長持ちするか」「予算はどれくらいか」も大事なポイントです。
| 比較項目 | ウレタン塗料 | シリコン塗料 |
| 仕上がり | なめらかで光沢あり | 若干固めの質感 |
| 耐候性 | 中(約5〜7年) | 高(約8〜12年) |
| 価格 | やや安い | ウレタンより高価 |
長期的に見ると、シリコン塗料の方が結果的にお得になる場合が多いです。
【初心者向け】おすすめのスチール塗装用製品
最後に、DIYでも扱いやすいおすすめ製品を紹介します。
| 商品名 | 種類 | 特徴 |
| カンペハピオ 油性シリコンタフ | シリコン塗料 | 屋外向きで耐久性が高い |
| ロックペイント サビカット | 防錆プライマー | 鉄部の下塗りに最適 |
| アサヒペン 錆転換剤 | 錆転換剤 | 落としきれないサビを固定 |
ホームセンターや通販サイトで手軽に購入できます。
初心者の方は、まずは 防錆プライマー + シリコン塗料 の組み合わせで挑戦してみるのがおすすめです。
DIYでスチール塗装を行う方法|必要な道具と作業手順

スチール塗装は、正しい手順と道具を揃えれば、DIYでも十分にきれいに仕上げることができます。
ここでは、初心者でも迷わず作業できるように、必要な道具と具体的な塗装手順を分かりやすく紹介していきましょう。
揃えておきたい道具・用品一覧(ワイヤーブラシ・ローラーなど)
まずは、塗装前に必要な道具を準備しましょう。
道具が揃っていると作業がスムーズに進み、仕上がりにも差が出ます。
道具はホームセンターやネット通販で手軽に揃えられます。

予算を抑えたい場合は、セット売りの塗装キットを利用するのも良いでしょう!
作業の流れ|下地処理 → プライマー → 上塗り
スチール塗装は、以下の順番で進めます。
- 表面の汚れを落とす
ほこりや油分を残すと塗料が密着しにくくなるため、中性洗剤や脱脂スプレーでしっかりと清掃します。 - サビと古い塗膜の除去(ケレン作業)
ワイヤーブラシやサンドペーパーを使い、サビを丁寧に落とします。触ってざらざらしない状態が目安です。 - 防錆プライマーを塗る
金属と塗料の密着を高め、サビの再発を防ぐ役割があります。塗りムラが出ないように均一に塗りましょう。 - 上塗り(2回塗り)
色むらを防ぐため、上塗りは2回行うのがおすすめです。1回目が乾いてから、2回目を重ねます。
失敗しやすいポイントと綺麗に仕上げるコツ
スチール塗装では、次の点に注意することで仕上がりが大きく改善します。
サビが残っていると数ヶ月で再発します。
・乾燥時間を守ること
焦って重ね塗りすると、塗装が剥がれやすくなります。
・厚塗りしないこと
一度に厚く塗ると垂れやムラの原因になります。薄く丁寧にが基本です。
丁寧な下地処理と正しい塗装手順を守ることで、DIYでもプロのような仕上がりを目指せます。
スチール塗装はDIYと業者依頼どちらが良い?費用相場で比較

スチール塗装を行う際に、多くの人が迷うのが「自分で塗るべきか、それとも業者に依頼するべきか」という点です。
どちらにもメリットとデメリットがあり、状況によって向き・不向きが変わりますので、この章では、費用と作業量の観点から、判断の参考になるポイントを整理していきます。
自分で塗る場合にかかるコストと作業時間
DIYでスチール塗装を行う場合、主に必要となるのは材料費と道具代です。
【DIYの費用目安】
- 防錆プライマー:1,000〜2,500円
- 上塗り用塗料:1,500〜4,000円(1Lあたり)
- ハケ・ローラー・トレーなどの道具:1,000〜3,000円
合計目安:3,000〜10,000円程度(塗装面積による)
作業時間の目安
- 下地処理:1時間〜数時間
- プライマー塗装:30分〜1時間
- 上塗り2回:2〜4時間
特に時間がかかるのは「下地処理」です。
サビ落としを丁寧に行うほど、塗装は長持ちします。
仕上がりは丁寧さに左右されるため、時間に余裕がある方はDIYに向いているでしょう。
業者依頼の費用相場と見積もりのチェックポイント
業者に依頼した場合の費用は、面積や状態によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
| 部位 | 費用目安 |
| 手すり・小型門扉 | 10,000〜30,000円 |
| 階段・鉄骨フレーム | 30,000〜100,000円 |
| フェンス・大規模鉄部 | 100,000円以上になることも |
・下地処理が含まれているか
・使用する塗料の種類(安価な塗料だと耐久性が低い)
・追加料金が発生する条件
特に「下地処理を省く業者」には注意が必要です。
仕上がりは一見きれいでも、数ヶ月で剥がれてしまうことがあります。
どちらを選ぶべきか判断基準(耐久性・規模・難易度)
どちらが良いかは、次のポイントを基準にすると判断しやすくなります。
無理にDIYに挑戦して失敗すると、結局修繕に追加費用がかかることもあります。

迷ったときは一度専門業者に相談し、状態を見てもらうだけでも安心です!
相談だけなら無料で対応してくれる業者も多いので、気軽に確認してみましょう。
まとめ|スチール塗装は「下地処理」と「塗料選び」が成功のカギ

スチール塗装は、見た目を整えるだけでなく、鉄部をサビや劣化から守り、長く安全に使い続けるために欠かせないメンテナンスです。
特に屋外に設置されている手すりや門扉、階段、フェンスなどは、雨や湿気、紫外線の影響を常に受けているため、時間とともに劣化が進みやすい部分ですので、こうした劣化を防ぐために、塗装は定期的に見直し、必要に応じて塗り替えを行うことがとても大切でだと言えるでしょう。
スチール塗装で最も重要なポイントは「下地処理」と「塗料選び」です。
どんなに高品質な塗料を使っても、サビや汚れが残ったまま塗ってしまうと、すぐに剥がれてしまいます。
下地処理として、ワイヤーブラシやサンドペーパーでサビを落とし、防錆プライマーを塗ってから上塗りを行う手順を丁寧に守ることが、仕上がりの美しさと耐久性にも繋がるでしょう。
また、ウレタンやシリコンなど、使用環境に応じた塗料選びも重要です。
屋外で長持ちさせたい場合には、耐候性に優れたシリコン塗料が特におすすめだと言えるでしょう。
DIYでの塗装は、道具や材料が手軽に揃えられ、費用を抑えられるメリットがありますので、小さな手すりや門扉など、作業範囲が限られており、時間に余裕のある場合には、DIYで挑戦するのも良いでしょう。
一方で、広い面積や高所作業が必要な場合、またサビが深く進行している場合には、無理に自分で行おうとすると、仕上がりが悪くなったり、後で修正に余計な費用がかかることもあります。
そうした場合は、専門業者に相談することで、より安全に、効率よく、長持ちする仕上がりを実現できるでしょう。
「自分でできるか」「業者に頼んだほうが良いか」と迷ったときは、まず劣化の程度や作業範囲を冷静に見極めてみて、その上で不安な場合は、相談だけでも専門業者に問い合わせてみると安心です。
現地調査や見積もりは無料で行ってくれるところも多く、無理に契約する必要はありません。

状態を知り、選択肢を持つことが、最適な判断につながります!
スチール塗装は、正しい知識と手順を身につければ、誰でも丁寧に取り組むことができる作業ですので、本記事があなたの住まいや大切な設備を長く守るための一助となれば幸いです。
これから塗装に挑戦する方も、業者への依頼を検討している方も、ぜひ本記事の内容を参考にして、自分に合った方法を選んでみてください!


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