「どの塗料が自宅に合っているのかわからない」「塗料ごとの違いや特徴を知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
外壁塗装の仕上がりや耐久性は、選ぶ塗料の種類によって大きく左右されます。
安価な塗料には安価な理由があり、高価な塗料には高価なだけの性能がありますが、ただ高いから良い・安いから悪いという単純な話ではなく、それぞれの特徴や適した用途を理解することが、最適な選択への第一歩です。
この記事では、外壁塗装に使われる塗料の種類や性能を徹底比較し、目的や予算に合った選び方をわかりやすく解説し、さらには信頼できる塗料メーカーや人気ブランドの特徴についても紹介します。
外壁塗装の塗料種類とは?
外壁塗装に使用される塗料には実に多くの種類があり、それぞれに特徴や適した用途、価格帯、耐久年数などが異なります。
選ぶ塗料によって塗装の仕上がりや寿命、メンテナンス頻度まで大きく変わるため、基本的な塗料の種類とその違いを理解することが重要です。
この章では、外壁塗装における代表的な塗料を3つのカテゴリ(汎用塗料・高耐久塗料・特殊用途塗料)に分けて、その性能や選び方のポイントを丁寧に解説していきます。
シリコン塗料・ウレタン塗料・アクリル塗料の違い
外壁塗装に使われる基本的な塗料には、「アクリル」「ウレタン」「シリコン」の3種類があり、それぞれ価格・耐久性・機能性に大きな違いがありますので、ここではその特徴と向いている用途について詳しく紹介します。
3種類の中で最も安価で扱いやすい塗料です。ただし、紫外線や雨風に弱く、耐久年数は5〜7年程度と短いため、短期的な塗装や予算を抑えたい場合に向いています。仮設住宅や建て替え予定の建物にも適しています。
●ウレタン塗料
アクリルよりも耐久性に優れ、柔らかさと密着性に特徴があります。細かい箇所の塗装や複雑な形状の外壁にもなじみやすく、価格も比較的手頃です。耐用年数は7〜10年程度で、コストと性能のバランスを取りたい方におすすめです。
●シリコン塗料
現在の外壁塗装では最も一般的に使用されており、耐久性(10〜15年)と価格のバランスが非常に優れています。防汚性・耐候性に優れており、多くの戸建て住宅で標準的に採用される塗料です。長期的なコストパフォーマンスを重視する人に適しています。
無機塗料・フッ素塗料・セラミック塗料の特徴
これらの塗料は、いずれも高性能で長寿命なタイプに分類され、特に外観の美しさを長く保ちたい方やメンテナンス頻度を抑えたい方に選ばれています。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
高い耐候性・耐久性・防汚性を兼ね備えており、15~20年程度の長寿命が期待できる高性能塗料です。価格は他の塗料より高めですが、再塗装の回数を抑えられるため、長期的に見るとコストメリットがあります。紫外線や雨風の影響を受けやすい地域に特におすすめです。
●無機塗料
無機物(ガラスや鉱物)を主成分とすることで、紫外線に極めて強く、非常に劣化しにくいのが特徴です。耐久年数は20年以上に及ぶ製品もあり、外壁の美観を長く維持したい方に最適です。価格帯は高額ですが、最も高耐久を重視する層に支持されています。
●セラミック塗料
塗料の中にセラミック成分を含ませることで、断熱性・遮熱性・防汚性など複数の機能を持たせた塗料です。ただし、「セラミック配合」の定義はメーカーごとに異なり、性能差もあるため、製品の詳細や成分表を確認して選ぶことが重要です。
ラジカル塗料・弾性塗料・ピュアアクリル塗料の用途
この見出しでは、近年注目されている特殊機能を持った塗料の「ラジカル制御型塗料」「弾性塗料」「ピュアアクリル塗料」について、それぞれの特徴と活用シーンを詳しく紹介します。
耐久性や防水性に優れたこれらの塗料は、ひび割れの多い外壁や雨漏り対策、高性能を求める住宅などで効果を発揮するのが特徴です。
紫外線により発生する「ラジカル」と呼ばれる劣化因子を抑えることで、塗膜の劣化を防ぐ新技術が搭載された塗料です。シリコン塗料と同等の価格帯でありながら耐久性が高く、コストパフォーマンスに優れているため、近年では主流になりつつあります。戸建住宅からマンションまで幅広く採用されています。
●弾性塗料
柔軟性の高い塗膜を形成するため、モルタル外壁やひび割れが発生しやすい外壁に適しています。塗膜が伸縮して下地の動きに追従するため、小さなクラックにも対応でき、防水性の維持にも役立ちます。ひび割れを予防したい方におすすめの塗料です。
●ピュアアクリル塗料
純度の高いアクリル樹脂を使用した高性能塗料で、通常のアクリル塗料よりも格段に耐久性・防水性に優れています。特に防水性が求められる外壁や、雨漏り対策が必要な建物に最適で、弾性塗料と同様にクラック追従性も備えています。
高機能塗料の種類と特徴
一般的な塗料に加えて、近年注目されているのが「高機能塗料」です。
これらは、遮熱・断熱・防水・セルフクリーニング・環境配慮など、付加価値の高い機能を備えており、快適な住環境の維持やメンテナンス性の向上に貢献します。

この章では、代表的な高機能塗料の特徴と、それぞれの機能が発揮される具体的な場面やメリットについて詳しく解説していきますね!
遮熱塗料・断熱塗料・防水塗料の性能
この見出しでは、外壁塗装における「遮熱」「断熱」「防水」という高機能塗料の具体的な性能と、それぞれが発揮される効果・用途について詳しく解説します。
夏の暑さ対策や冬の寒さ対策、雨漏り防止など、快適な住環境の維持に貢献するこれらの塗料は、省エネ効果や耐久性の向上といった実用的なメリットを備えており、現代の住宅において非常に重要な選択肢となっているので注目です。
太陽光に含まれる赤外線を反射することで、外壁や屋根の表面温度の上昇を抑える塗料です。これにより、夏場の室温上昇を防ぎ、エアコン使用量の削減による省エネ効果も期待できます。特に日当たりの良い住宅や、夏の暑さが厳しい地域で効果を発揮します。
●断熱塗料
遮熱塗料が「反射」による効果なのに対し、断熱塗料は塗膜自体が熱を伝えにくくする「断熱材」のような働きを持っています。これにより夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を保ちやすく、冷暖房効率の向上にも貢献します。オールシーズン快適に過ごしたい方におすすめです。
●防水塗料
水を通さない性能に特化した塗料で、屋上やベランダ、モルタル外壁など、特に雨水の影響を受けやすい箇所に使用されます。塗膜が雨水の侵入を防ぐとともに、ひび割れに追従する柔軟性を持つ製品もあり、雨漏りや劣化の進行を抑える効果が高いのが特長です。
光触媒塗料・透明塗料・自然塗料の活用法
この見出しでは、環境配慮や美観維持に優れた3種類の塗料、「光触媒塗料」「透明塗料(クリア塗料)」「自然塗料」の特徴と活用方法について紹介します。
いずれも一般的な塗料とは異なる目的や価値観に基づいて選ばれる塗料であり、住宅の外観や機能性にこだわりたい方に適しているところがポイントです。
太陽光に含まれる紫外線を利用して、外壁に付着した有機汚れを分解し、雨で自然に洗い流す「セルフクリーニング機能」を持つ高機能塗料です。排気ガスやカビの付着を抑える効果もあり、美観を長く保ちたい方におすすめです。環境浄化機能もあるため、エコ志向の住宅にも向いています。
●透明塗料(クリア塗料)
顔料を含まず、既存の外壁デザイン(タイル調や石目調など)をそのまま活かして、保護だけを目的とした塗料です。紫外線や風雨から外壁を守りながら、意匠性を損なわずにメンテナンスが可能で、美観重視の住宅に適しています。艶あり・艶なしタイプが選べる製品もあります。
●自然塗料
亜麻仁油や蜜蝋、柿渋など、天然由来の成分を主成分とする塗料で、シックハウス対策や環境負荷の軽減に配慮した製品です。通気性があり、木部や室内にも使用されることがありますが、耐久性や防汚性は一般的な合成塗料より劣る場合があるため、使用箇所の選定が重要です。
浸透性塗料・オリジナル塗料のメリット
この見出しでは、「浸透性塗料」と「オリジナル塗料」に注目し、それぞれの機能や用途、メリットについて解説します。
既存の塗膜に頼らず下地から補修したい場合や、一般流通していない高機能な塗料を検討している方にとって、有力な選択肢となりますので要チェックです。
下地の表面に塗膜を形成せず、内部に浸透して劣化部分を補強する塗料です。モルタルやコンクリートなどの吸水性の高い素材に特に有効で、ひび割れや剥離の抑制に役立ちます。防水下地の補修や、既存の塗膜が劣化した箇所の再生用途としても使われることが多く、下地から建物の耐久性を高めたい場合に適しています。
●オリジナル塗料
施工業者や塗料メーカーが独自に開発した塗料で、他社製品にはない機能(遮熱性・速乾性・密着性など)を備えている場合があります。コストパフォーマンスが高い製品も多い一方で、成分や性能が公表されていない場合もあるため、実績や保証体制の有無、第三者評価の有無を必ず確認しましょう。
おすすめ塗料メーカーとブランド塗料の特徴
外壁塗装で後悔しないためには、塗料そのものの性能だけでなく「どのメーカーの製品を選ぶか」も重要なポイントになりますし、メーカーによって開発体制・耐候性試験・品質管理の基準に違いがあるため、信頼できる企業の製品を選ぶことで、塗装の仕上がりや耐久性がより確実なものになります。

この章では、人気ブランド塗料の主な特徴や評判に加えて、メーカーを選ぶ際にチェックすべきポイントについても詳しく見ていきましょう!
プレミアムシリコン・クリーンマイルドシリコンの評判
この見出しでは、国内で特に人気の高い2つのシリコン塗料ブランド「プレミアムシリコン(日鉄住金)」と「クリーンマイルドシリコン(エスケー化研)」について、それぞれの性能や特徴、評判などを詳しく解説します。
実際の採用事例や価格帯なども紹介しながら、どのような住宅やユーザーに適しているのかを比較していきましょう。
ラジカル制御型技術を採用したシリコン塗料で、紫外線や雨風による塗膜の劣化を抑える効果が高いとされています。10〜15年の耐用年数がありながら、比較的手頃な価格帯で提供されているため、コストパフォーマンスに優れた製品として人気があります。戸建て住宅を中心に、外壁塗装のスタンダードな選択肢として支持されています。
●クリーンマイルドシリコン(エスケー化研)
高耐候性・低汚染性・防カビ性など、複数の機能性を兼ね備えた高性能なシリコン塗料です。特に「汚れがつきにくく、落ちやすい」特長が評価されており、長期間にわたって外壁の美観を保ちたい住宅や施設に多く採用されています。また、艶のある仕上がりと発色の良さも好評で、デザイン性を重視するユーザーにも選ばれています。
無機ハイブリッド塗料や水性シリコンの位置付け
無機成分(ガラスや鉱物など)と有機成分(樹脂など)を組み合わせた塗料で、紫外線や酸性雨に強い耐候性と、ひび割れなどに対応できる柔軟性の両立を実現しています。無機塗料の高い耐久性を保ちながら、価格や塗膜の割れやすさといった欠点を改善した、バランスの良い高性能塗料として注目されています。
●水性シリコン塗料
水を溶剤として使用することで、臭いが少なく環境や健康への配慮がなされた塗料です。VOC(揮発性有機化合物)の発生が少なく、室内塗装や住宅密集地でも安心して使用できます。さらに、シリコン塗料としての耐久性や防汚性も兼ね備えており、戸建て住宅の外壁塗装において人気の高い選択肢となっています。
メーカー選定のポイントと信頼性の見分け方
塗料の品質や耐久性は、どのメーカーの製品を選ぶかによって大きく左右されますので、信頼できるメーカーを選ぶことで、トラブルを避け、満足のいく仕上がりを実現することができます。
以下の観点で確認・比較するのがポイントです。
・製品ラインナップや性能試験データが公開されているか:具体的な試験結果や性能数値を提示しているメーカーは、製品に自信を持っており、透明性も高いといえます。特にJIS規格や第三者機関による認証の有無をチェックしましょう。
・長年の実績があり、施工件数や採用事例が豊富か:大手ハウスメーカーや公共工事などでの採用事例が多いメーカーは、信頼性や技術力が認められている証拠です。事例数が多いほど、様々な条件下での実績を積んでいると判断できます。
・アフターサポートや製品保証がしっかりしているか:万が一の不具合や不良にも対応してくれる体制が整っているかは、長期的な安心感につながります。保証内容の明確さや、問い合わせ先、対応方法も確認しましょう。
これらの情報を総合的に比較することで、信頼して任せられる塗料メーカーかどうかを判断する材料になります。
まとめ|塗料の種類とメーカーを理解して最適な選択を
塗料選びに正解はひとつではありません。
建物の状態や求める機能、予算に応じてベストな選択肢は変わってきますし、塗料の種類や性能、メーカーごとの特徴を理解することで、納得できる外壁塗装につながります。
また、外壁塗装における塗料選びは、単なる色の好みや価格の問題だけでなく、建物の立地や素材、目的(美観・防水・省エネなど)によって最適解が異なりますので、この記事で紹介したように、塗料には多くの種類と性能があり、それぞれに適した使い方や特長があることを理解して選ぶことが大切です。

さらに、メーカーやブランドによっても品質や価格に違いがあるため、塗料の種類と特徴を正しく理解し、自分の目的に合った選択をすることが非常に大切ですね!
信頼できる施工業者と相談しながら、長持ちする外壁塗装を実現しましょう。
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