外壁塗装の塗料|水性・油性・艶の違いとは?仕上がりと耐久性を解説

外壁塗装の塗料|水性・油性・艶の違いとは?仕上がりと耐久性を解説 外壁塗装知識編
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外壁塗装を検討していると、「水性塗料と油性塗料の違いは?」「艶のある塗料とない塗料ではどう違うの?」といった疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。

この記事では、塗料の種類ごとの特徴やメリット・デメリットを比較し、どんな場所にどの塗料が適しているか、耐久性や見た目の違いも含めてわかりやすく解説します。

KIRA
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最適な塗料選びの参考にしてみてください!

水性塗料と油性塗料の違いとは?

水性塗料と油性塗料の違いとは?

「水性塗料」と「油性塗料」には、主成分・におい・耐久性・施工場所など、さまざまな違いがあることをご存知でしたでしょうか?

この記事では、それぞれの特徴や使い分けのポイントに加えて、塗料の種類に関わる「1液型」と「2液型」の違いについても、わかりやすく解説していきます。

水性・油性どっちが良い?メリット・デメリット比較

水性塗料と油性塗料にはそれぞれ明確な特徴があり、選択によって施工後の仕上がりや耐久性、周囲への影響が異なります。

以下の比較表で、主な違いを確認してみましょう。

比較項目 水性塗料 油性塗料
主成分 水が主成分 有機溶剤(シンナーなど)が主成分
臭い においが少なく低刺激 シンナー臭が強く、換気が必要
環境負荷 揮発性有機化合物(VOC)が少なく環境に優しい VOCの排出が多く、環境負荷が大きい
価格帯 比較的リーズナブル 水性に比べてやや高価
耐久性 一般的にやや劣るが進化している 高い耐候性と密着力を持ち長寿命
乾燥時間 ゆっくり乾燥するため施工時間が長い場合も 乾燥が早く、短工期に向く

住宅街や人通りの多い場所では、においが少なく環境に優しい水性塗料が適していますが、一方で高い耐久性と仕上がりを重視したい場合は油性塗料が選ばれることが多く、特に過酷な環境下では有効です。

水性塗料と油性塗料の特徴と適した場所

●水性塗料:水を主成分とし、臭いがほとんどなく、揮発性有機化合物(VOC)の排出も少ないため、環境負荷が低いのが特長です。施工中の刺激臭が抑えられるので、住宅密集地や小さなお子さん・高齢者のいるご家庭でも安心して使えます。また、最近では耐久性も向上しており、従来の油性塗料と遜色ない性能を持つ製品も増えています。
★適した場所:戸建て住宅の外壁、マンションの共用部、保育園・学校・病院といった人の出入りが多く臭いへの配慮が求められる場所。

●油性塗料:シンナーなどの溶剤を含むため臭いは強めですが、その分、強い付着力と高い耐久性を発揮します。撥水性・耐候性にも優れ、厳しい自然環境下でも効果を発揮するため、塗り替え頻度を抑えられるというメリットがあります。
★適した場所:潮風にさらされる海沿いの住宅、寒冷地・豪雪地域、金属や木材の外部部材(鉄部・木部)、高耐久が求められる工場や倉庫など。

1液型・2液型の違いと施工性

外壁塗装に使用される塗料には「1液型」と「2液型」があり、扱いやすさや耐久性に違いがありますので、それぞれの特性を理解することで、施工内容や目的に合った塗料を選ぶ判断材料になります。

種類 特徴 施工性 耐久性
1液型 1つの缶で完結し、撹拌不要。扱いやすく、開封後すぐに塗装可能 高く、初心者向け 標準的(7〜10年程度)
2液型 主剤と硬化剤の2成分を混合して使用。化学反応により強固な塗膜を形成 混合に手間がかかる 非常に高い(15年以上)
●1液型は扱いやすさが特長で、DIYや短期施工、小規模な外壁補修に最適です。現場での作業がスピーディに進められるため、戸建て住宅などではよく選ばれます。
●2液型は取り扱いに注意が必要ですが、硬化後は非常に強い塗膜を形成します。高い耐久性や耐薬品性が求められる工場やビルなど、プロ向けの本格的な施工に多く採用されます。

艶のありなしで仕上がりはどう変わる?

艶のありなしで仕上がりはどう変わる?

外壁塗装において「艶(つや)」の有無は、建物の見た目の印象や清掃・メンテナンスのしやすさに大きく影響します。

塗料には主に「艶あり」「艶なし(つや消し)」の2種類があり、それぞれに異なる特徴や効果がありますし、艶の程度によって光の反射具合や外観の印象も変化しますので、この章の中で、艶のあり・なしによる具体的な違いや、用途・選び方のポイントについて詳しく見ていきましょう。

艶あり・艶なしの特徴と使い分け

塗料の「艶(つや)」は、仕上がりの光沢感だけでなく、建物の印象やメンテナンス性にも大きく関わります。

目的やデザインイメージに応じて、最適な艶を選びましょう。

●艶あり(光沢仕上げ)
・太陽光や照明を反射し、明るく華やかな印象を与えます。新築のような美しい外観を演出したい方におすすめです。
・表面が滑らかで汚れが付着しにくく、雨で汚れが流れやすいというメリットもあり、清掃の手間が軽減されます。
●艶なし(マット仕上げ)
・光の反射を抑え、落ち着いた重厚感のある雰囲気になります。和風住宅やナチュラルデザインの建物にマッチしやすい仕上がりです。
・周囲の景観や自然環境に溶け込みやすく、控えめで品のある印象を好む方に選ばれます。
●選び方のコツ
・汚れの目立ちにくさや掃除のしやすさを重視するなら → 艶あり
・落ち着きや高級感、周囲との調和を重視するなら → 艶なし

つや消し塗料の印象と用途

つや消し塗料は、光沢を抑えたマットな仕上がりが特長で、建物に落ち着きと高級感を与えるため、近年では幅広い住宅スタイルに採用されていて、特にデザイン性や自然素材との調和を重視するケースに向いています。

印象:表面の光を反射しにくく、柔らかく落ち着いた印象を演出。

無垢材や塗り壁など自然素材と相性が良く、洗練された雰囲気や上品さが際立ちます。

用途例:和風住宅・古民家の改修/モダンなデザイン住宅/漆喰や木材を取り入れた外観/ナチュラルテイストの戸建てやリノベーション物件など、温かみや品格を表現したい建築に適しています。

艶選びが外観に与える効果

塗料の艶は、色そのものの見え方を左右する重要な要素です。

艶の有無によって、同じ色でも外壁の印象が大きく変わるため、塗装後のイメージをしっかり想像することが大切ですね。

  • 艶ありは、光の反射によって色が明るく、鮮やかに見える傾向があり、視覚的に外壁が軽やかに映り、明るい印象を与えたい場合に適しています。
  • 艶なしは、光をほとんど反射しないため、同じ色でも深みが増し、落ち着いた雰囲気になりますので、重厚感や品格を出したいときにおすすめです。
KIRA
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デザインの方向性(モダン/クラシック/ナチュラル)や、近隣建物との調和、また季節ごとの光の当たり方まで考慮して艶を選ぶと、塗装後の後悔を防ぐことができます!

塗料の耐久性と長持ちさせるポイント

塗料の耐久性と長持ちさせるポイント

外壁塗装に使用される塗料は、種類によって耐用年数が大きく異なり、施工の質やメンテナンス方法によっても、実際の寿命には大きな差が生じます。

例えば、同じ塗料を使用しても、適切な下地処理がされていないと、早期に剥がれや色あせが発生する可能性があるので、この章では、耐久性の高い塗料の種類ごとの特徴、選ぶ際に注意すべきポイント、そして塗装後にできるだけ長持ちさせるための施工と管理のポイントについて、実例を交えて詳しく解説してきましょう。

KIRA
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塗料の性能だけでなく、施工品質や日常のメンテナンスも含めた総合的な視点で、外壁を長く美しく保つための知識を深めたいですね!

耐用年数に影響する塗料の選び方

外壁塗装における「塗料の種類」は、耐用年数に直結する最も重要な要素のひとつです。

耐久性の高い塗料を選ぶことで、塗り替えの頻度を減らし、長期的なコストパフォーマンスも向上します。

以下の表は、主要な塗料の種類ごとの耐用年数の目安です。

塗料の種類 耐用年数(目安)
アクリル塗料 5〜7年:価格は安価だが耐久性は低め
ウレタン塗料 8〜10年:柔軟性があり細部に適する
シリコン塗料 10〜13年:価格と耐久性のバランスが良い
フッ素塗料 15〜20年:高耐久でメンテナンス周期が長い
無機塗料 20〜25年:最高クラスの耐久性と美観保持性

※水性・油性を問わず、同じ種類の中でもグレードや製品によって寿命には差があり、使用条件(立地・日照・湿度)などでも変動します。

塗料選びの際は、単に年数だけでなく、建物の立地環境や求める性能(防汚性・防カビ性・断熱性など)もあわせて検討することが大切です。

長持ちする塗料の特徴と評価

外壁塗装において「長持ちする塗料」とは、外的要因(紫外線・雨風・温度変化など)に強く、経年劣化が少ない性能を備えたものです。

以下のような特長を持つ塗料は、耐久性に優れており、メンテナンス周期を長くできます。

●耐候性:紫外線や風雨などの自然環境に対して高い抵抗力を持ち、色あせやひび割れが起きにくい。
●防汚性:塗膜表面に汚れが付きにくく、付着しても雨で自然に洗い流されるセルフクリーニング機能を持つものも。
●弾性(柔軟性):外壁の膨張や収縮に追従し、クラック(ひび割れ)を防ぐ効果がある。
●信頼性:多くの長寿命塗料には10年以上のメーカー保証がつくことが多く、安心して選べる。

おすすめの長寿命塗料

  • フッ素系塗料:高価だが、耐久性・耐候性ともに非常に優れており、塗り替え頻度を大幅に減らせる。
  • 無機塗料:無機成分が主成分のため、劣化しにくく、長期間にわたって外壁の美しさを保てる。防汚性にも優れており、メンテナンスの手間が軽減される。

下塗りが仕上がりと耐久性に与える影響

外壁塗装の仕上がりや耐久性を大きく左右するのが「下塗り」の工程です。

下塗りは、外壁の下地と上塗り塗料をしっかりと接着させる“接着剤”のような役割を果たします。

この工程が不十分だと、どれほど高品質な上塗り塗料を使っても、早期の剥がれや膨れ、色むらなどの不具合が起きやすくなるので注意が必要です。

●適切な下地処理+下塗り:古い塗膜の剥がれ、ひび割れ、チョーキング(白い粉化)などの劣化状態に合わせて下地を補修し、その上に下塗りを施すことで、塗膜の密着性が格段に高まります。
●素材に応じた下塗り材の選定:モルタルやコンクリートのような吸水性の高い外壁には、浸透型のシーラー(下塗り材)が最適です。逆に、金属や木部には防錆・防腐性を持つ下塗り材が必要になります。
KIRA
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下塗りを適切に行うことは、塗装全体の寿命と美しさを左右する最重要ポイントです!

まとめ|水性・油性・艶の違いを知って最適な塗料を選ぼう

水性・油性・艶の違いを知って最適な塗料

この記事では、水性塗料と油性塗料の違いや、艶のあり・なしによる仕上がりの差、そして塗料の耐久性に影響するポイントについて詳しく解説しました。

まず、水性塗料は環境に優しく臭いが少ないため、住宅街や人が集まる場所に適していますが、一方で油性塗料は高い密着力と耐候性を持ち、過酷な環境や高耐久が求められる箇所に向いています。

また、塗料の「艶」も仕上がりに大きな影響を与えますが、艶ありは明るく清潔感のある印象を与え、艶なしは落ち着いた高級感を演出しますので、色の見え方や近隣との調和も考慮して選ぶことが重要です。

さらに、耐久性を重視するなら、フッ素塗料や無機塗料のような高性能塗料の選定や、適切な下地処理・下塗りの実施が欠かせません。

塗料そのものの性能に加えて、施工技術とアフターメンテナンスが外壁の寿命を左右します。

比較ポイント 水性塗料 油性塗料
環境性
耐久性
施工性

最適な塗料を選ぶには、「何を優先するか」を明確にすることが大切です。

KIRA
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見た目、耐久性、コスト、環境配慮など、自宅や建物の条件に合ったバランスの良い選択を心がけましょう!

適切な塗料選びと丁寧な施工で、長く美しい外観を保つ外壁塗装を実現してください。

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