外壁塗装やリフォームを検討している方にとって、「ローンが使えるかどうか」は大きな判断材料になります。
特にアパートや賃貸物件など、自宅以外の建物での利用可否や、リフォーム工事全体に使えるのかなど、具体的な適用範囲を知りたい方も多いのではないでしょうか。
この記事では、外壁塗装ローンがリフォーム全般やアパートなど賃貸物件に適用できるのか、対象となる条件や注意点、補助金制度との併用などをわかりやすく解説します。

自宅・賃貸を問わず、賢くリフォーム費用を工面したい方はぜひ参考にしてみてください!
外壁塗装ローンはリフォームにも使える?
外壁塗装ローンは、外壁や屋根の塗装工事に限らず、耐震補強や断熱改修といった住宅性能を高める工事、さらには外構や内装を含む幅広いリフォームにも活用できる可能性があります。
ただし、すべてのリフォームが対象となるわけではなく、ローンの種類や金融機関の条件によって利用可否が分かれる点には注意が必要です。
ここでは、ローンが使える工事の種類や前提条件、内装リフォームとの違いを詳しく解説します。
使える工事の種類と条件
外壁塗装ローンが適用されるリフォーム工事には、主に以下のような内容が含まれます。
- 外壁・屋根の塗装や修繕
- ベランダや屋上の防水工事
- 外構工事(塀、門扉、フェンス、カーポート、玄関まわりの整備など)
- 耐震補強、断熱材の設置など住宅性能を向上させる工事
- 水回りを中心とした内装改修(キッチン・浴室・洗面所・トイレなど)
これらの工事は、「住宅の耐久性や安全性、快適性を向上させる目的」が明確であることが前提となります。
見た目を良くするだけの装飾工事や趣味のDIY、家具の購入などは対象外となる場合が多いです。
また、施工を行う業者が、ローンを提供する金融機関の提携先や認定施工会社であることが条件になるケースもあります。
金融機関によっては、施工業者との事前契約書や見積書の提出を求められるため、事前に確認しておくとスムーズです。
内装リフォームとの違いは?
外壁塗装と内装リフォームでは、ローンの審査基準や適用条件に明確な違いがあります。
外壁や屋根の塗装、防水、断熱などの外装リフォームは、「住宅の資産価値や耐久性の向上」といった目的が明確であるため、金融機関が資産保全や住宅性能の改善と判断しやすく、ローンの審査も比較的通りやすい傾向がある一方、内装リフォームはキッチンやトイレの入れ替え、壁紙・床材の変更といった「居住性やデザインの向上」を目的とするケースが多く、金融機関によっては資産価値向上とは見なされにくいことがありますので、ローンの審査が厳しくなったり、金利が高めに設定されたりする場合もあるようです。
ローン申請を行う際は、「工事の目的」「住宅性能への寄与」「資産価値の維持・向上につながるか」といった観点を具体的に説明できるよう、見積書や工事内容の説明書を用意しておくと、審査がスムーズに進みやすくなるでしょう。
アパートや賃貸物件にもローンは使える?
外壁塗装ローンは、自宅だけでなくアパートや賃貸物件といった収益用不動産にも利用できる場合があり、特に賃貸経営を行うオーナーにとって、建物のメンテナンス費用をローンで分割払いにできることは、大きな資金負担の軽減につながります。
ただし、ローンの対象として認められるかどうかは、金融機関ごとの方針やローン商品ごとに異なり、審査基準には、物件の収益性(入居率・家賃収入)、築年数、所有名義(個人・法人)などが含まれ、住宅ローンとは異なる条件が設けられているケースも多いため注意が必要です。
また、借入可能な金額や金利、返済期間も、収益物件用ローンでは自宅用と異なるため、将来的な収支見込みも含めて事前にしっかりと検討しておくことが重要だと言えます。
オーナー名義の物件でも申請できる?
はい、アパートや賃貸物件などオーナー名義の建物でも、ローンを利用することは可能です。とくに「リフォームローン」や「アパートローン」など、収益物件専用のローン商品が用意されており、外壁塗装や屋根修繕、防水工事などにも対応しています。
ただし、申請時には以下のような条件や制限があるため、事前確認が欠かせません。
●物件の築年数や構造、立地(築古や収益性が低い物件は審査が厳しくなる傾向)
●入居率や家賃収入の安定性、収支のバランス
●申請者(オーナー)の返済能力、他のローン借入状況
また、アパートローンは住宅ローンと比べてリスクが高いと見なされるため、金利がやや高く設定されていることが多く、返済期間や融資額も金融機関によって差があります。

将来の収支や家賃収入とのバランスを見ながら、慎重な資金計画を立てることが重要です!
入居者への影響やメリット
アパートの外壁塗装は、入居者にとって快適な居住環境を提供するための重要な工事です。
具体的なメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
●塗装による断熱性の向上により、夏は涼しく冬は暖かい居住空間を実現できる
●防水性能の強化によって雨漏りなどのトラブルを予防し、長期的に快適な住環境を維持できる
●建物全体の耐久性が高まることで、安全性の面でも安心感を提供
これらのメリットにより、入居者満足度が高まるだけでなく、物件の価値も向上します。
その結果として、空室の減少や家賃アップといったオーナーにとっての経済的メリットにもつながるのですが、工事期間中には騒音、足場の設置、塗料の臭いなど入居者にストレスを与える要素もあるため、事前の告知や対応策(洗濯物の取り扱いや換気への配慮など)をしっかり行うことが重要です。
自宅と賃貸物件でローン手続きはどう変わる?
外壁塗装ローンを利用する際には、住宅の用途によって審査や手続きが大きく異なるため、事前に理解しておくことが重要です。
自宅用と賃貸用では、金融機関が重視するポイントや必要書類、適用されるローンの種類が異なる場合があります。
この章では、自宅用ローンと賃貸用ローンそれぞれの特徴、金融機関の対応、そして収益物件専用ローンとの違いについて詳しく解説していきましょう。
金融機関の審査基準の違い
自宅用のリフォームローンでは、申請者本人の「個人信用力」が中心的に審査されます。
主に以下のようなポイントが評価されるとお考えください。
●勤続年数や雇用形態(正社員・契約社員など)
●自宅の所有権や登記内容(持ち家であるか)
●年収に対する年間返済額の割合(返済負担率)
これにより、申請者が安定的に返済できるかどうかが判断されます。
一方、アパートや賃貸物件などの収益用不動産に対するローンでは、個人の信用情報だけではなく、「物件の収益性」や「将来的な価値」がより重視されます。
金融機関が主に確認する点は以下のとおりです。
●物件の築年数、構造(例:木造・RC造など)、立地や周辺環境(駅近・商業施設の有無)
●所有者(オーナー)の総資産状況(保有資産、借入残高、事業全体の収支バランス)
このように、収益性や不動産の資産価値そのものが融資判断の中心となりますし、さらに言えば、アパートローンやプロパーローンといった「事業性ローン」に分類されることが多く、以下のような追加書類の提出が求められる場合もあります。
●賃貸借契約書の写し
●過去の確定申告書や青色申告決算書
●将来収支のシミュレーション表など

金融機関ごとに審査項目や必要書類は異なりますので、複数の金融機関を比較したうえで、必要書類をそろえて準備することがスムーズなローン申請につながります!
収益物件ローンとの違い
収益物件ローン(アパートローン)は、アパートや賃貸マンションなどの収益を目的とした不動産に対して利用される事業用のローンです。
そのため、住宅用のリフォームローンとは金利や融資期間、審査基準が大きく異なります。
項目 | リフォームローン(自宅用) | 収益物件ローン(賃貸用) |
---|---|---|
金利 | 1.5〜3.5%前後 | 2.5〜4.5%前後 |
融資期間 | 最長10〜15年程度 | 最長20〜30年程度 |
審査基準 | 年収・勤続年数など | 家賃収入・物件評価、収益性 |
また、収益物件ローンでは、返済原資が家賃収入になることが前提となっており、金融機関は「物件の収益性」や「エリアの需要」、「過去の空室率」なども重視して審査されることに加え、借入額が大きくなる傾向にあるため、金融機関は担保評価やオーナーの事業計画書、確定申告書などの書類も要求する場合があります。
オーナーが複数の収益物件を保有しているケースや法人名義で運営している場合は、住宅用ローンではなく、こうした事業用ローンを選ぶのが一般的です。
リフォーム補助金や減税制度との併用は可能?
外壁塗装ローンを利用する場合でも、各種補助金制度や減税制度と併用することは可能です。
たとえば、省エネ改修や耐震補強を伴うリフォームであれば、条件を満たせば補助金の対象となることがあります。
ただし、制度ごとに適用条件や申請方法が異なり、併用に際しては以下のような点に注意が必要です。
●補助金申請のために着工前の手続きが必要な場合がある
●一部の制度では「自己資金による支払い」が原則とされていることもある
これらを確認せずに手続きを進めると、補助金が受けられなくなる恐れもあるため、施工業者や自治体、金融機関と事前に連携を取りながら進めることが重要です。
補助金とローンの併用注意点
補助金制度とローンを併用してリフォーム費用を賄う場合は、いくつかの重要な注意点があります。
- 多くの補助金制度では、「自己資金による支出」が補助の前提となっており、ローン資金では対象外とされるケースがあります。
- 補助対象となる工事の内容と、ローンの対象工事が一致しているかを事前に確認することが必要です。たとえば、外壁塗装の一部のみが補助対象の場合、ローンで全額を賄うと補助が受けられない可能性があります。
- 補助金の申請は、工事着工前に申請・承認が必要な場合がほとんどであり、ローン契約や工事契約とのスケジュール調整が不可欠です。

条件を満たさないと、せっかくの補助金を受け取れない可能性があるため、着工前に施工業者や自治体、金融機関に相談し、慎重に進めることが大切ですね!
控除制度との関係性
外壁塗装を含むリフォームにローンを活用する場合でも、「住宅ローン控除」「省エネリフォーム減税」「固定資産税の減額制度」などの各種減税措置を受けられる可能性があります。
ただし、以下のような一定の条件を満たす必要があるので注意が必要です。
●工事対象が自ら居住する住宅であること(賃貸用やセカンドハウスなどは原則対象外)
●工事内容が住宅の省エネ性能や耐震性、バリアフリー性などの性能向上に寄与するものであること
たとえば、省エネリフォーム減税の対象となるには、断熱材の追加や高性能窓への交換、バリアフリー化などが含まれている必要があります。
なお、補助金との併用が可能かどうかは、各制度の要件により異なりますが、一部制度では補助金を受けた部分が控除対象から除外されることもあるため、確定申告時に誤認がないよう、あらかじめ税務署や税理士などの専門家に相談しておくと安心です。
まとめ|外壁塗装ローンを賢く使ってリフォームを実現しよう
外壁塗装ローンは、自宅の改修工事だけでなく、アパートや賃貸物件などの収益物件における外壁・屋根・防水工事にも利用できる柔軟な資金調達手段です。
ただし、対象となる物件の用途や所有名義、工事の内容によって利用条件や審査基準が異なるため、事前の確認と比較検討が欠かせません。
さらに、補助金制度や住宅関連の減税制度と組み合わせて活用することで、初期費用の軽減や税負担の抑制が可能となります。
着工前の申請タイミングや併用の可否、確定申告時の書類準備なども含めて計画的に準備し、無理のない返済計画と制度の最大活用によって、経済的かつ効果的なリフォームを実現しましょう。
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